BtoBのECサイト制作を解説 | 問屋・卸販売業者・専門商社 | ECサイト制作ネット

ホーム > お役立ち記事 > ECサイト制作・運営のノウハウ > BtoBのECサイト制作を解説 | 問屋・卸販売業者・専門商社

BtoBのECサイト制作を解説 | 問屋・卸販売業者・専門商社

BtoB向けECサイト制作

昨今、BtoBビジネスを主とする問屋・卸売業・卸販売業者・専門商社といった業界では、ECサイトを活用したD2Cビジネスの拡大によって、顧客が離れていくケースも少なくありません。経済産業省の発表によると、アメリカでは2019年の段階で5人に1人がD2Cブランドから商品を購入しており、今後はさらに増加すると見込まれています。

このような流れから、問屋や卸売業でもECサイトの導入を検討している方は多いのではないでしょうか。しかし、BtoBでの取引では価格や販路の管理といった、BtoCにはない課題があります。本記事ではBtoBとは何かという前提から、ECサイトの作成方法までを詳しく説明していきます。

BtoB(問屋・卸売業者・専門商社)のECサイト制作

BtoBとは?

BtoBとは「Business to Business」の略称で、企業が企業に向けて商品・サービスを提供するビジネスモデルです。資本の大きい企業を顧客とするので、受注単価が大きく、継続的な取引や安定した売上を確立できるといったメリットがあります。一方で、特定の業界のみを対象とするビジネスのため、顧客数が有限であることや、新規顧客を獲得しにくいことがデメリットです。

顧客の対象を一般消費者とするBtoC(Business to Consumer)とは、提供するサービス・商品や価格帯に違いがあります。
中でも大きな違いは、BtoBでは割引での取引が一般的であるという点です。取引される金額が大きいBtoB業界では、発注数や取引年数に応じて商品単価を割引することがあります。小売業者が十分な利益を出せるように調整することで、取引の継続を促し、安定した収益を獲得しているのです。

問屋・卸売業・卸販売業者・専門商社のビジネスモデルについて

問屋や卸売業・専門商社は、実店舗や訪問営業を介した販売が中心です。しかし、昨今ではD2C(Direct to Consumer)ビジネスによって、生産者が直接消費者に商品を売るという流れが作られつつあります。

そうした変化の中で、卸問屋や商社もビジネスモデルの変化を余儀なくされています。とりわけ情報化した現代社会においては、WEB上でのマーケティング強化は必須です。SEO対策によって自社のホームページをより目に留まる状態にしたり、新規顧客を開拓したりと、WEB上でできることは無数にあります。

そのうちのひとつとして挙げられるのが、ECサイト制作です。

経済産業省 BtoB-EC市場規模の推移
出典元:令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)経済産業省

上記した経済産業省のデータによるとBtoBのECサイト市場規模は増加傾向にあり、2015年から2019年までの4年間で約65兆円増加しています。EC化率も4年間で4.3%増加しており、今後さらに増加していくことが見込まれています。

なぜ今BtoBのECサイトが重要視されるのか

D2Cブランドの拡大によって、卸売業界では顧客の維持や獲得がより困難になりつつあります。そのような中でBtoBのECサイトが重要視されるのは、次のようなメリットがあるからです。

  1. アナログ業務が減り、業務負担を軽減できる
  2. 利便性向上による既存顧客からの受注増加
  3. 販促強化や非対面営業により、新規顧客の獲得が見込める

電話やFAXを利用しての受発注管理・問い合わせ対応など、アナログ業務の軽減はヒューマンエラーを減らすことに繋がります。トラブルの対応に時間・手間を要するケースも多いため、負担の軽減や業務の正確性向上は、大きなメリットといえるでしょう。

またアナログ業務は、顧客にとっても負担になっている場合があります。ECサイトを導入することでほぼ全ての取引がWEB上で完結するため、「購入しやすい」「取引しやすい」という状況を作ることも可能です。既存顧客が離れないようにする取り組みとしても、有効な手段だといえます。

加えてECサイト上では、新商品やキャンペーンの告知を常時掲載できるため、人の手では不可能な販促強化ができることも特徴です。営業で直接足を運ぶ必要がないため、遠方の企業との取引も見込めるうえ、コロナ禍でも販路を拡大できます。顧客管理や調査もできるため、マーケティングのツールとしてECサイトを活用すれば、販路開拓の大きな足掛かりにもなります。

BtoBで重要となる価格戦略

BtoBにおいて、取引価格の設定は非常に重要なポイントです。基本的に小売業者へ直接販売する場合は、利益率を調整することができます。業種にもよりますが、一般的に小売価格の50%が平均的な価格とされ、小売業者が顧客に商品を販売しても利益が出るようになっています。

また、BtoBの価格戦略においては顧客維持のために、大量注文へのモチベーションを生み出すことも重要です。
規模の大きい取引をする小売業者に対しては、ECサイト上でも注文数に応じた割引ができるようにしましょう。

BtoBをECサイトでおこなうために必要な機能

BtoBECサイトに必要な機能

BtoBにおけるECサイトは、一般的なECサイトと必要な機能が異なります。
ここからは、卸売ならではの3つの機能を紹介していきます。

①価格管理

価格戦略が重要と記述したように、BtoB販売をおこなう場合は、ECサイトでも価格管理の機能が必要となります。
BtoBでは全ての顧客に対して一律価格で販売することは、まずありません。取引額の大小や取引期間の長短などによって、値付けは大きく変わります。
したがってECサイトを制作する場合は、価格グループ・掛け率・商談価格のわかる適切な価格に変更する機能が必要です。

②販路管理

BtoBでは会員制・クローズドサイト・表示グループ・シークレットセールのような、販路を管理できる機能も必要です。
BtoBでの支払いはほとんどが後払いで、信用取引が前提となっています。
したがって、誰とでも取引ができる状態は避けるのが無難でしょう。ECサイトを制作する際には会員番号やIDが発行されている、限られた企業のみと取引できるようにしておくと安心です。

③決済管理

BtoBでは後払いでの支払いが多いと記述しましたが、その支払い方法はクレジットカードではなく、銀行振込が一般的です。
希望する決済方法が使用できない場合は、購入をやめてしまうケースもあるため、決済方法にもバリエーションが必要です。必要に応じて、決済代行サービスの導入も検討しましょう。

以上のように、BtoBにおけるECサイトでは、一般的なBtoCのサイトにない特殊な機能が求められます。個別対応のシステムはもちろん、商取引として対応できるシステムが必要です。
次にこれらを踏まえて、ECサイトの制作方法を解説していきます。

BtoBのECサイトをShopify(ショッピファイ)で制作

ShopifyでbtobECサイト制作

BtoBでの販売をECサイトでおこなうにあたって、卸売のみをおこなうのか、それともD2C(直接販売)にプラスして卸売をおこなうのかを考える必要があります。

Shopify(ショッピファイ)では企業の状況によって、卸売のみをおこなうのか、卸売をオプションとして利用するかを選択することになります。
ここからは、それぞれの方法を解説していきます。

卸売だけをECサイトでおこなう場合

小売業者への卸売のみをおこないたい場合は、限られた小売業者のみが割引価格で取引をおこなえるように、ECサイト自体をパスワードで保護する必要があります。
Shopify(ショッピファイ)では管理画面にあるパスワード保護機能を使うことで、簡単に設定をおこなえます。
パスワードで保護されたストアを作成すれば、小売業向けの割引価格を全商品に設定可能です。

しかし、規模の大きい卸売をおこなう場合は、操作ミスなどによって未承認の事業者に対してパスワードを発行してしまう恐れがあります。このような事態を懸念する場合は、Locksmith(ロックスミス)というShopifyアプリの利用を視野に入れましょう。

Locksmithならば、ページ・商品単位で細かくパスワードの設定ができるうえ、利用者はアカウントを作成する必要があるため、セキュリティの高いパスワード保護が可能になります。

D2Cと平行してBtoBのECサイトを開設する場合

Shopify(ショッピファイ)のオプションを利用すれば、既にD2CのECサイトを開設済みの事業者が、小売業者向けのBtoB販売をおこなうことも可能です。

Shopifyで別のストアを開設する

既存D2CのECサイトと平行してBtoB販売をおこなう方法としては、別のURLを有したShopifyストアを制作し、パスワード保護をおこなうのが最もシンプルな方法です。

また、大規模な販売をおこなっている事業者であれば、Shopify(ショッピファイ)のプランを「Shopify Plus(ショッピファイプラス)」にアップグレードすることも検討しましょう。
このプランでは、パスワードで保護された既存のShopifyストア内に、新たに卸売専用のチャネルを制作することができます。

Shopify(ショッピファイ)の卸売チャネルでは、登録済み商品を利用して卸売専用のページを制作できるので、最小限の設定で利用可能です。必要な機能としても紹介した、顧客グループ別の価格・パーセンテージ割引・注文数に応じた割引なども設定できます。

また、D2Cのストアとは別で売上レポートを確認できるので、販売形態ごとの業績がひと目でわかるようになります。

アプリで卸売チャネルを作成する

アプリで卸売チャネルを作成

Shopify(ショッピファイ)で卸売販売をおこなう場合は、アプリで卸売チャネルを作成するという方法もあります。
ShopifyアプリのひとつであるWholesale Club(オールセールクラブ)なら、顧客をそれぞれ割引したプランに振り分けることができます。
また、マーケティング機能も搭載されており、顧客がより多く購入したくなるような割引率を計算し、インセンティブを付与することも可能です。

Wholesale Clubはセキュリティも高く、承認済みのアカウントをもった小売業者のみがアクセスできるようになっているため、別のストアやカタログを用意する必要がありません。既存のD2Cストアに加えて、セキュリティの高い卸売販売ストアを制作することができます。

支払い設定

BtoB販売の特徴として後払いが多いと記述した通り、小売業者は支払いの条件を気にかけています。
一般の販売とは違って大量購入される場合は、小売業者から支払い条件や期限の設定を求められるケースもあります。
例えば、支払い条件に「Net 30」と記載がある場合は、「30日以内に支払いをする」という条件を提示されています。

卸売業者はこのような支払い条件に合意する前に、小売業者の照会・調査をおこない、後払いで大量の商品を発送するというリスクに備えなくてはなりません。

Netの支払い条件機能を追加する方法

BtoBのECサイトをShopify(ショッピファイ)で制作する際、Netの支払い条件機能は先に紹介したWholesale Club(オールセールクラブ)やWholesaler(ホウルセイラー)で導入が可能です。
この機能を導入することで、前もって顧客と後払い決済に合意をすることになります。

小売業者から後払いで代金を回収する方法

下書き注文
「下書き注文」から決済期間を設定することで、後払いで代金を回収することが可能です。
下書き注文内にある「決済」のセクションから「後払い」を選択し、決済期間を選択できます。

決済期間の設定が完了したら、Shopify(ショッピファイ)を通して小売業者へ請求書を送付しましょう。小売業者は後日クレジットカードで支払いができるようになります。
また下書き注文では、支払い受領後に支払い済みとマークすれば、小切手での支払いを記録することも可能です。

アプリ「Afterpay」の導入による回収
Shopify(ショッピファイ)ではAfterpay(アフターペイ)というアプリを追加して、後払いの商品代金を回収する方法もあります。
Afterpayは通常D2Cの販売で使用されるアプリですが、BtoBのストアでも使用可能です。小売業者の支払い情報を収集して、後日分割での請求も可能となります。
またAfterpayでは、手作業で請求書を追うことなく、請求回収のプロセスを自動化することも可能です。

事業者の状況で適切なBtoBのECサイト制作を

今回、BtoBにおけるECサイトの制作方法について解説しました。BtoBでECサイトを導入する場合はBtoCと異なり、価格や販路・決済方法の管理が重要です。
Shopify(ショッピファイ)のプラン「Shopify Plus」を利用することで、卸売で必要な機能を比較的簡単に導入できます。
機能を拡張するアプリも多数あるので、事業の規模や状況に応じて、適切なECサイトを制作しましょう。