ECサイトを立ち上げたらやるべき販売促進戦略
ネットショップ・ECサイトを開設する際、必ずおこなわなくてはならない項目として販促、つまり販売促進戦略です。
オープンしたら勝手に目につくような実店舗とは違い、ネットショップ・ECサイトは放っておいても顧客が勝手にやってくるわけではありません。
しかし、商品・サービス内容・ターゲットを理解することで、自然に売れる仕組みをつくることは可能です。
今回はネットショップ・ECサイトにおいて必須となる販売促進戦略について解説していきます。
もくじ
ネットショップ・ECサイトを開設したらおこなうべき販売促進戦略(マーケティング)
ネットショップ・ECサイトにおける販売促進戦略とは
ネットショップ・ECサイトにおける販売促進戦略は、ネットショップ・ECサイトに適したマーケティング施策を指します。
一般的なマーケティングと同じで、顧客に自社商品を購入してもらうことで売上向上を目指すのが目的です。
非対面でおこなうネットショップ・ECサイトのマーケティングは継続した利益を生む必要があり、目的は同じであっても従来のマーケティングとは手法が異なります。
ネットショップ・ECサイトにおける販売促進戦略の特徴
・ユーザー行動データに基づき分析が可能
・集客の施策が様々
・実店舗のような立地による格差がない
上記のようにネットショップ・ECサイトでの販売促進戦略は分析や立地による格差がなくメリットとなる点もありますが、集客の施策には様々なものがあり、どの手法でおこなうかの選定が必要になってきます。
ネットショップ・ECサイトの売上算出方法
一般的にネットショップ・ECサイトの売上は以下の方程式で算出します。
売上=集客×CVR(購入率)×客単価
それぞれの説明
・集客はショップを訪れた顧客の数
・その中から購入に至った数がCVR(購入率)
・顧客の一回の購入金額が客単価
この3つの要素が売上を伸ばす鍵となります。
集客方法
ネットショップ・ECサイトにおける集客方法は「広告」「コンテンツマーケティング」「アクセスデータ分析」3つの方法があります。
それぞれの解説をしていきます。
広告による集客
ネットショップ・ECサイトの集客方法としてよくおこなわれるのが広告です。
広告にはいくつか方法があり以下に4つの広告パターンを説明します。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは仲介者を介して、広告を掲載する人(アフィリエイター)がウェブサイトでリンク付きの商品広告を貼る「成果報酬型広告」です。
クリック数や該当商品の購入に至った件数などに基づいて報酬がきまるもので、低コストで広告をおこなうことができます。
リスティング広告
リスティング広告は普段検索をする人なら見慣れた広告ではないでしょうか?
Googleなどで検索結果の一覧ページで「広告」と記載され上位に表示させるもので、検索連動型広告とも言われています。
インターネットの広告では一番効果や結果が出やすいというメリットがありますが、リスティング広告をおこなうには専門知識が必要となる難点や、コストもアフィリエイト広告に比べて高くなるというデメリットがあります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は検索エンジン(GoogleやYahooなど)やウェブサイト、ブログなどの広告スペースにバナーを用いて広告をおこなう手法です。
バナーのデザインなどは比較的低コストで作成できますが、リスティング広告に比べて効果が出にくいのがデメリットです。
インターネット上で記載されることで、商品の認知度を高めるためにおこなうことが多いようです。
SNS広告
SNS広告はFacebook、Instagram、TwitterなどのSNS上での広告をおこなう方法です。
従来までは検索エンジンを使って商品検索がされていましたが、最近ではSNS内で商品検索をおこなう傾向にあることから、SNS広告をおこなう企業も増加傾向にあります。
SNSのタイムライン上に表示される広告なので、見る側の目を引く魅力的な広告の作成が求められます。
また、この広告方法の他に、格SNSのアカウントのフォロワーが多数いるインフルエンサに商品広告をおこなってもらう方法も年々盛んになっており、自社の商品に合ったイメージのインフルエンサーが見つかれば効果も期待できるでしょう。
コンテンツマーケティングによる集客
広告での集客方法とは別に、ネットショップ・ECサイトで依然として強い集客力を持つのがコンテンツマーケティングです。
ネットショップ・ECサイトにて商品ページではないコンテンツページを作成し、自社商品に関連する情報や悩みの解決など求められる情報を発信することで自社ブランドの認知度を上げる策打ちます。
コンテンツマーケティングをおこなうにはSEOの知識が必要で、検索エンジンで上位表示させるためのテクニックが必要となってきます。
自社の商品を求める人の潜在ニーズまでを想定した上でターゲットとなるキーワードを決めてコンテンツを作成していきます。
コンテンツマーケティングによる効果は成功すれば大きいですが、SEOに対する十分な知識がない場合は上位にあがらない、検索してからクリックされることで上位表示されるのですぐに効果がでないといったデメリットもあります。
アクセス分析による集客
ネットショップ・ECサイトの販売促進戦略で大きなメリットといえるのが、膨大なデータを収集できることです。
ショップはこのデータを分析し、どこを改善するかが見えてくるので、おこなうべき対策を明確にすることができます。
代表的な分析ツールとして、Google Analytics(グーグルアナリティクス)が挙げられます。
Google AnalyticsはGoogleが提供するウェブ解析ツールでショップに訪れた人の利用端末の種類やアクセス数、アクセスページ、ページの滞在時間や、離脱率、購入率などをデータ化することができます。
これらのデータに基づいてショップのサイトで改善が必要な箇所を改修することで購入率をあげるために策を打つことができます。
データに基づく改修なので明確な対応・策が明らかになりますが、専門的な知識、分析力が必要となります。
以上ネットショップ・ECサイトにおける集客のためにおこなう方法を3つ紹介しましたが、自社の予算や工数、商品を理解した上で適切な方法を選択するようにすることが重要です。
CVR(購入率)の向上
CVR(購入率)はショップのサイトへアクセスした人数のうち、商品購入などショップの利益に繋がるなにかしらの行動に至った割合を指します。
また、このCVRを向上させることは客単価の向上にも繋がり、集客同様に重要なことなので詳細を解説していきます。
■ユーザーインターフェース(UI)の改修
ユーザーインターフェースとは顧客と商品の設定という意味で、ショップを訪れた人が利用する機能(操作性)、見えるもの(レイアウトや写真など)全てのことを指し、UIとも言われています。
これらを改善することでCVR(購入率)の向上を狙います。
改善する5つのポイント
・購入に至るまでの適切な情報が記載されているか
・必要な情報が明確に記載されているか
・表示価格はわかりやすく記載されているか
・入力フォームが簡単であるか
・注文確定ボタンの位置、決済完了の表示がわかりやすく記載されているか
ユーザーインターフェースの改修は主にデザイン面よりも顧客の利便性が適切かを検証し、改善することで購入率が向上する傾向にあります。
モール型ECサイトはこれらのユーザーインターフェースが統一されているので、どのショップでも購入・決済完了までの手順が同様におこなえます。
一方、自社ECサイトはそれぞれ仕様が異なるため、わかりやすさと使いやすさが非常に重要になってくるのです。
■ネットショップ・ECサイトの機能
ネットショップ・ECサイトにおいての購入率を向上するには初回購入はもちろんリピーターの獲得・育成が重要となってきます。
リピーターの獲得・育成にはショップ内の機能を充実させることで、購入率向上が期待できます。
以下に各機能について解説していきます。
メルマガ機能
ネットショップ・ECサイトは顧客情報を多く扱うという強みがあり、その強みを活かしたメルマガでリピーター獲得のアプローチをおこなうことができます。
効果的なメルマガの内容は以下の3つのような方法が主流となっています。
・「クーポンの発行」や「ポイント付与」をおこない、次回来店した時に利用できる
・購入者限定キャンペーンをおこない、来店を促す
・その他おすすめ商品や新着情報を記載し、来店を促す
その他ショップの強みがあればどんどん活用してメルマガでリピーターの獲得を狙いましょう。
リマーケティング広告
過去にショップを訪れたことのある顧客に対して再度訪問してもらうための施策をリマーケティング広告といいます。
ネットサーフィンなどをしていて、特定のサイトを見た後、別のページでまたそのサイトの広告が表示されるといった経験があると思います。
これがリマーケティング広告です。
サイトを訪れたという事実から、自社の商品に興味をもってくれているという推測から広告でアプローチすることで購入に繋げやすい傾向にあります。
数多く存在するネットショップ・ECサイトですので、一度見てからショップ名も覚えず存在も忘れてしまうことが多い中、再度ページに表示されることで顧客のショップに対する認識を得る事もできます。
ネットショップ・ECサイトの販売促進戦略は即効性に欠ける
今回ネットショップ・ECサイトにおける販売を促進するための戦略について説明しました。
対面でないことや、顧客の検索、クリック数が効果となるため、効果の即効性は見込めませんが、データの分析やサイトページの見直しをすることで明確な改善点が見えてきます。
また、コンサルティングの突発的な提案に乗って失敗をするといったケースも少なくはありません。
時間だけでなくコストもかかるのがネットショップ・ECサイトのマーケティングです。
収集したデータがどこまで信頼できるか、信憑性の裏付けや、的確な施策を慎重におこなうようにしましょう。