ネットショップ(ECサイト)開業の成功事例【成功させる方法とは?】
「これからネットショップ(ECサイト)を開業予定だけど売れるのか心配…。」
「成功させるためにどうしたらよい?」
「成功しているネットショップ(ECサイト)は何をしているの?」
ネットショップ(ECサイト)を開業しようという方なら、誰しもが知りたいのが成功する方法ですよね。
本記事では国内で成功しているネットショップ(ECサイト)をピックアップし、成功事例と成功させる方法や秘訣についてご紹介します。
もくじ
右肩上がりの電子商取引市場
引用元:経済産業省
成功事例の話に入る前に、市場のことに少し触れておきます。Eコマース市場が現在どういった状況なのか理解しておくのは非常に大切です。
国内のネットショップ(ECサイト)、つまり電子商取引のビジネスは2010年からずっと右肩上がりの成長分野でした。しかし、2021年の最新の調査(経済産業省)では、調査開始以来、はじめての横ばいに。
2021年は新型コロナウイルス感染症対策で、長い期間、外出自粛の予防が推奨されていました。その影響で物販系分野のECは市場を拡大したものの、旅行などのサービス系分野のECは市場規模を大幅に縮小。物販系分野で伸びた分を縮小したサービス系分野が相殺したため、横ばいという結果になったということです。
その一方でEC化率は増加傾向にあり、よりビジネスの電子化への動きが加速しているといえます。
2021年11月現在、新型コロナウイルスの新規感染者は減少傾向にあり、さらに収束に向かうのであれば国内のネットショップ(ECサイト)の市場規模は、再び右肩上がりに拡大していくでしょう。
また、国内向けでなく海外向けのEC(越境EC)の市場規模も拡大しています。
売りたい商材をお持ちで、ネットショップ(ECサイト)をまだ始められていない方は、EC市場への参入をおすすめします。 続いては国内で売り上げトップ30のネットショップ(ECサイト)を見てみましょう!
国内のネットショップ(ECサイト)売上ランキングTOP30
「月刊ネット販売」で2021年に実施した売上高調査「ネット販売白書」より
順位 | 社名 | EC売上高 |
1 | アマゾンジャパン | 2兆1,852億 |
2 | ヨドバシカメラ | 2,221億4,300万 |
3 | ビックカメラ | 1,487億 |
4 | ZOZO | 1,474億200万 |
5 | ユニクロ | 1,076億 |
6 | オイシックス・ラ・大地 | 1,000億6,100万 |
7 | ジャパネットたかた | 790億 |
8 | 上新電機 | 717億600万 |
9 | ニトリホールディングス | 705億 |
10 | ヤマダデンキ | 700億 |
11 | DINOS CORPORATION | 622億9,600万 |
12 | デル | 600億 |
13 | マウスコンピューター | 562億2,200万 |
14 | 千趣会 | 560億 |
15 | アダストリア | 538億 |
16 | ジュピターショップチャンネル | 530億 |
17 | アスクル | 528億5,800万 |
18 | ベイクルーズ | 510億 |
19 | ベルーナ | 485億8,800万 |
20 | キタムラ | 470億 |
21 | エクスプライス | 447億8,800万 |
22 | イトーヨーカ堂 | 432億3,700万 |
23 | オンワードホールディングス | 415億8,300万 |
24 | TSIホールディングス | 406億8,100万 |
25 | ワールド | 389億1,300万 |
26 | QVCジャパン | 360億 |
27 | アイリスプラザ | 330億 |
28 | ユナイテッドアローズ | 326億3,000万 |
29 | 三越伊勢丹ホールディングス | 315億 |
30 | 高島屋 | 297億 |
引用元:「月刊ネット販売」
こちらは国内のネットショップ(ECサイト)を売り上げ順にランキングしたものです。
第1位のAmazonはモール型ECサイト(ネットショップ)ですが、前年に続き1位を獲得。出店ではなく出品型のマーケットプレイスという特性から、単独ECサイト(ネットショップ)として捉えられています。
Amazonは近年、大手メーカーと協力してプライベートブランド(PB)の商品開発に注力し、品揃えを強化しています。また、大手スーパーマーケットとの提携で、コロナ禍で増え続ける食品や日用品の「置き配」需要に応えたことも、1位獲得の後押しになりました。
2位以降のショップは、金額が大きい家電のお店(ヨドバシカメラ、ビックカメラ、デル、ジャパネットたかたなど)と、有名ファッションサイト(ZOZO、ユニクロ、ディノス)が目立ちます。また、どれも取り扱う商品数がかなり多い(数千アイテム以上)というのも特徴です。
食品大手のオイシックスが、初のトップ10入りしたことにも注目。巣ごもり需要の拡大を背景も含め、毎日消費する日用品をインターネット上で注文する人が増えていることを示します。
この生活スタイルがさらに浸透すれば、コロナ禍以降もネットショップ(ECサイト)で全ての買い物を済ませるという人が、より増加することになるでしょう。
ネットショップ(ECサイト)成功事例から学ぶ成功の秘訣
弊社がおすすめしている「Shopify(ショッピファイ)」で制作されたネットショップ(ECサイト)から、成功の秘訣を解説いたします!
Shopifyは2004年にカナダで創業され、現在では175か国で利用されているグローバルシェアNo.1のECプラットフォームです。 2017年に日本法人ができたばかりですが、国内でも急速に普及しています。
ブルーボトルコーヒー
出典:ブルーボトルコーヒー
アメリカのオークランドに本社を構えるコーヒー・カンパニー。 近年日本にもショップが進出して話題になりました。
そんなブルーボトルコーヒーのネットショップ(ECサイト)の成功ポイントは以下があげられます。
- スペシャルティコーヒーの定期購入から売り上げの安定化が図れる。
- 商品とセットのオンラインセミナーの販売を行い、購入単価を上げている。
- コーヒー豆はもちろん、マグカップやお茶菓子など、多岐にわたるオリジナル商品を展開している。
- しずる感あふれるブログ記事はユーザーをブルーボトルコーヒーのファンにする。
ただ美味しいコーヒーを提供するだけでなく、コーヒーの文化を伝え、コーヒーを楽しむ空間までをも提供する姿勢が、顧客のファン化に結びついているといえます。
ショップの商品がコーヒーのように、日常的に利用する商品であれば、ブルーボトルコーヒーの定期便のような、サブスクリプションサービスを導入するのも良いでしょう。ネットショップ(ECサイト)のデザインにもこだわり、ブログなどを利用して、商品をより魅力的に伝えることで、リピーターを育てることができます。
土屋鞄
出典:土屋鞄
1965年、2人のランドセル職人によりスタートした老舗のバッグブランド「土屋鞄」。 長い歴史のあるブランドですが、常に進化を感じる商品ラインナップです。
成功ポイントは以下があげられます。
- 商品のコンセプトが伝わる見せ方で、ユーザーに「欲しい!」という感情を抱かせる。
- サイトデザインが洗練されていてブランディングできているため、高価格帯の商品でも安心感がある。
- 商品レビューが読めるので購入を迷っている人の判断材料になり、購入につながりやすい。
- 返品期間を設けるなど、本当に満足できるか顧客にじっくり判断できるようにしている。
- 顧客に寄り添ったサービスである。
ショップのこだわりが、持つ人のこだわりになる。そんな強いブランディングが長年継続できる秘訣といえます。
土屋鞄の商品をは、決して安いものではありません。それでも長年愛されるブランドになっているのは、「ここで買えば間違いない」といった安心感を顧客に与えることができるからです。
商品に自信があるのであれば、ショップのデザインを妥協せず、しっかりとブランディングすると良いでしょう。
ゴーゴーサイクリング
出典:ゴーゴーサイクリング
ゴーゴーサイクリングは、「完全組み立ての自転車を激安でお届けする自転車の通販サイト」で、サイトにアクセスして一番目がいくロゴの下に記載しているのがポイントです。
ただの自転車屋ではなく、はっきり他のショップと差別化しているため、買う方も目的が絞られます。
成功ポイントは以下の通りです。
- サイトトップにゴーゴーサイクリングの3つの安心を掲げている。ゴーゴーサイクリングを知らない、または利用したことがないユーザーに対して、少しでも安心感を与えられる。
- 「1万円台の激安自転車」といった一覧へのリンクをつけて、少しでも安いものを買いたいユーザー心理をとらえたネーミングにしている。
- なぜ安いのかを説明している(問屋や小売店を通さないため)ので安心できる。
- ・初期不良など、何らかのトラブルに対してあらかじめ対処法を紹介してあり、顧客はフォローが良い印象を受ける。
「自転車は安心安全なものを買いたい」というユーザーの心理を理解したショップの配慮が、サービスになっているのが成功の秘訣でしょう。顧客に買いたいと思わせるには、商品購入後のフォローにも気を配ったショップにすることをおすすめします。
非対面のネットショップ(ECサイト)こそ、そういった安心感を与えられるかも、他のショップとの差別化になります。
ネスレ
出典:ネスレ
ネスレはスイスのヴェヴェーにある売上高世界最大の食品メーカーです。日本ではコーヒーが主力商品となっていますが、膨大な商品の取扱があります。
ネスレの成功ポイントは以下があげられます。
・膨大な商品数だがカテゴリがわかりやすく設けられているため迷わない。
・複数のキャンペーンはユーザーに参加して楽しんでもらえる。
・「チャットで相談」機能がついてあり、初めて利用するサイトでも安心感を抱きやすい。
・送料の案内や、お届け日についての案内がわかりやすく明記されている。
たくさんの情報を掲載しても、ユーザーが迷わないように設計されているのが、成功の秘訣といえるでしょう。顧客が購入しやすいようなショップデザインすることは非常に重要です。
英国エコノミスト
出典:エコノミスト誌
最後は1843年創刊、政治経済を取り扱う総合雑誌「英国エコノミスト」です。ネットショップ(ECサイト)では雑誌だけでなく、デジタルコンテンツも販売しています。
そんな英国エコノミストのネットショップ(ECサイト)が成功したのは、以下のような理由があげられます。
- デジタル配信での定期購読のため、ユーザーを獲得すればするほど原価が下がって利益が上がる仕組みである。
- 会員登録するとバックナンバーも読めるようになるため、ユーザーにとってお得感を感じるサービスである。
- 雑誌では知ることができない「お気に入りランキング」がビジネスマンにとって重宝するコンテンツとなる。
デジタルコンテンツのサブスクリプションは、在庫の心配が不要のため、売り上げを安定的に作ることができます。
また、ターゲットも顧客と法人の両方にアプローチできる点が収益を伸ばす要因といえるでしょう。
あなたが思うネットショップ(ECサイト)の成功って?
以上、成功事例を紹介しましたが、それぞれのショップで目標が異なるため「成功」も異なります。
売り上げ金額が大きくても、利益率が高くなければ儲けに繋がりません。また、大手ネットショップ(ECサイト)は潤沢な広告費を投じて運営しているケースもあります。
関わるスタッフの人数、扱う商品数、利益率、そして広告予算など、それぞれの状況によって目指す成功目標が異なるはずです。
自分が運営するネットショップ(ECサイト)は月にどれぐらいの売り上げがあって、どれぐらいの人がアクセスして、どれぐらいの人が購入し、その後リピート購入はどれぐらいの人がしてくれるのか。 開業前にそれらを予測し、しっかり目標を見定めましょう。
また、自分のショップと同じジャンルで成功しているネットショップ(ECサイト)は、よく分析することをおすすめします。サイトを見るだけでなく、実際に購入してみてください。すると自分がユーザーとしてどう感じるか、自分のショップとどう差別化できるのか見えてきます。
地道な作業になりますが、成功への道は分析と改善がカギになりますので試してみてください!
また、「ネットショップ(ECサイト)開業の失敗事例8選!売れるための改善策も」では、失敗事例について説明しています。ぜひご覧ください。