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ネットショップ開業資金はいくら必要?助成金での資金調達方法もご紹介

ネットショップ・ECサイトの開業相場と助成金の調達方法

ネットショップ・ECサイトの開業を検討する際、まず開業資金がどれくらい必要なのかをチェックする方がほとんどではないでしょうか。

昨今ではネットショップ・ECサイトの開業を様々なタイプから選ぶことができ、個人規模であれば無料で開業できるものまで存在します。また、ネットショップ・ECサイトを開業する際に助成金を使うことも可能です。

今回はネットショップ・ECサイトの開業資金の相場や助成金による資金調達の方法などもあわせてご紹介していきます。お得に賢くネットショップ・ECサイトの開業したい方は是非御覧ください!

ネットショップ開業資金と助成金による資金調達方法を紹介

ネットショップ開業と一口に言っても、その方法は多数あります。その中から、あなたの目指すショップに合ったものを選ぶことが重要です。

はじめから初期費用をかけて事業規模に見合わないショップを開設してしまうと、運営資金がショートして運営が立ち行かなくなるケースもあります。まずはモール型ECサイトと自社ECサイトの違いを押さえましょう。

ネットショップ・ECサイトとは?

モール型ECサイトと自社ECサイト

ネットショップ・ECサイトとはインターネットで商品を販売する形態で、実店舗を持たないことが大きな特徴です。

ネットショップ(ECサイト)の中には、大きく分けて「モール型ECサイト」と「自社ECサイト」の2種類があります。

モール型は楽天やAmazon(アマゾン)・Yahoo!ショッピングなど、複数の店舗が出店しているECサイトのこと。インターネット上のショッピングモールのような形態になっています。一方の自社ECサイトは、文字通り自社の商品を販売する、専用のECサイトのことを指しています。

ではここからは、それぞれの特徴について説明していきましょう。

モール型ECサイトの特徴

モール型ECサイトは国内最大級のユーザー数を誇る楽天やAmazonで出店するので、はじめから集客力があり、はじめての開業にもおすすめです。

モール型ECサイトへの信頼もあるため、顧客が安心して買い物できることもポイント。モール自体を継続して使っているユーザーも多いため、リピーターの獲得も期待できます。

また、自社ECサイトの場合は、広告やマーケティングに費用をかける必要がありますが、モール型であればその費用を抑えることも可能です。

しかし、モール型ECサイトの場合は、ロイヤリティが発生してしまうことが、費用面での大きなデメリットになります。また、売れている商品はピックアップされて利用者の目にとまりやすくなりますが、人気のない商品を顧客が見つけ出すのは困難です。多数の店舗と顧客の取り合いになってしまうことが想定されます。

その他、顧客情報が自社に集まらないブランディングが困難という点もデメリットです。顧客はあなたのショップのファンではなく、モールのファンになるという点を念頭に置いておきましょう。

自社ECサイトの特徴

自社ECサイトはモール型ECサイトに比べて、制作の自由度が高いことがメリットです。

独自のドメインを使用してネットショップ・ECサイトを構築し、商品の見せ方や世界観を自由に表現できます。モール型では難しい商品のブランディングが可能になるので、商品自体のファンになってもらいやすく、リピーターを育てやすいのが特徴です。

その反面、自社で集客する必要があったり、サイト設計にコストや工数がかかるといったデメリットもあります。マーケティングやプログラミングの知識が必要になるので、モール型と比べると開設のハードルが高いといえます。

ネットショップの開業資金(相場価格)

ネットショップ・ECサイト開業時には、特徴を押さえることも必要ですが、コストについて知っておくことも重要です。開業時にどれくらいの資金が必要なのか、開業資金の相場価格は知っておきたいところ。

一言でネットショップ・ECサイトを構築して開業するといっても、サイト構築には大きく4つのタイプがあり、それぞれ仕様や費用が異なります。

ネットショップ・ECサイトの構築タイプと相場価格

ネットショップ・ECサイトの構築タイプ

ここからは、「クラウド型」「ASP型」「パッケージ型」「自社開発型(フルスクラッチ)」の4種類について説明していきます。タイプによって費用は異なり、数十万円から数千万円まで幅広くなっています。開設前にどんなショップにしたいのかをイメージし、予算を検討していきましょう。

・クラウド型

クラウド型のネットショップ・ECサイト構築は、クラウド環境でシステムが常に新しくアップデートされた状態で利用できます。

また、クラウド型はカスタマイズ性にも優れており、自社に合わせたフルカスタマイズができます。他のシステムと連携することも可能です。

構築費用は30万円~数百万円が相場となっており、機能やシステム連携等の追加導入で費用が高額になります。ただし、必要な機能のみを追加することで、比較的費用を抑えやすいことも特徴です。

・ASP型

ASP型は「Application Service Provider」の略で、インターネット上で利用するアプリケーションです。

クラウド型と同様にシステムのアップデートがされ、最新の状態で利用することができます。 ただし、クラウド型と違って、カスタマイズ性が乏しく他のシステムとの連携などはできません

ASP型の構築費用は無料~20万円程。大規模な開業資金の資金調達が難しい場合には、こちらを検討すると良いでしょう。

しかし、無料の場合は規模が小さく、商品登録数なども限られるので、飛躍的に売上を上げるには難しいともいわれています。ASP型を検討する際には、ショップの成長性についてもイメージしておくことが重要です。

・パッケージ型

パッケージ型はECサイトを構築するためのソフトウェアをパッケージ化したもの。ネットショップ・ECサイトを構築するために必要なシステム基盤が備わっています。システム基盤を基に独自の機能開発、カスタマイズができます

カスタマイズ性が高く、唯一無二の自社ECサイトを構築できますが、ASPやクラウド型のようにアップデートがないので、システムが古くなってしまうといったデメリットも。

構築費用は数百万円以上と自由度が高い分、クラウド型やASPに比べて高額です。売上をある程度見込むことができ、成長性もある場合に検討すると良いでしょう。

・自社開発型(フルスクラッチ)

フルスクラッチ型は、パッケージ型のようにネットショップ・ECサイト構築システム基盤が備わっているわけでもなく、まっさらな状態で1から全てを構築する手法です。

もちろんコストが1番高くなりますが、システム連携などはもちろん、他にはないシステムも独自で開発するため、あらゆる面で理想のネットショップ・ECサイトを開設できます

構築費用は1000万円以上と高額ですので、資金源が豊富な企業向けといえます。

ネットショップ・ECサイト開業資金を助成金で調達する

ネットショップ・ECサイトの開業資金は、規模や目的によって高額になるケースがあります。良いショップイメージがあっても開業資金に不安がある場合、資金調達できる制度を利用してみましょう。

ここで紹介するのは、開業資金の資金調達をより低コストで利用できる助成金制度「IT導入補助金」です。以下で詳しく解説していきます。

IT導入補助金とは?

IT導入補助金は、経済産業省による中小企業・小規模事業者等が、ITツールを導入する際に交付される制度です。IT導入補助金を申請することで、ITツールの導入総額の一部に補助金を利用することができます

しかし、誰でも確実に交付されるものではありません。対象となる事業が補助の目的となる取り組みをしていて、従業員数などの条件を満たしている必要があります。

IT導入補助金は、ネットショップ・ECサイトの構築でも多く使用されており、本記事でも紹介した全てのネットショップ・ECサイト構築タイプで使用可能です。

ただし、ECプラットフォームなど、構築サービス自体がITツールの対象となっているかの確認は必要なので、事前に確認するようにしましょう。

IT導入補助金交付対象事業者

IT導入補助金対象企業
※画像が見ずらい場合はクリックして拡大してご覧ください

上記のように中小企業・小規模事業者であり、上記の内容を満たしている企業がIT導入補助金交付対象となります。

また、対象条件として上記とは別にgBizID(ジービズアイディー)アカウントの取得、SECURITY ACTION(セキュリティアクション)の登録(宣言)をしている必須です。

gBizIDとは?

企業・事業者行政サービスを受けるために取得し、行政サービスへアクセスできる法人・個人事業主向け認証システムです。

IT導入補助金の申請や交付など、一連の流れもgBizIDのアカウントを利用します。

GBizIDのアカウント取得はコチラから可能です。

SECURITY ACTIONとは?

SECURITY ACTIONとは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施するセキュリティアクションにて、宣言をすることを指します。事業者が「IPAの実施するセキュリティ対策に取り組みます」とオンラインで登録・自己宣言することです。

この宣言は日々多発するインターネットを介した多くの犯罪を防止するためにIT導入補助金交付対象に必須項目となっています。

SECURITY ACTIONの詳細はコチラからご確認、ご登録いただけます。

IT導入補助金の類型

IT導入補助金にはA~Dまで類型が分かれており、それぞれ導入するITツール、補助額・補助率が異なります。

IT導入補助金類型別早見表

ITツールとは?

IT導入補助金交付の対象となるITツールは以下の3つに分類されます。

①ソフトウェア

  • 単体ソフトウェア
  • 連携型ソフトウェア

これらの詳細
【顧客対応、販売支援/決済、債権債務、資金回収管理/調達・供給・在庫・物流/会計・財務・経営/総務、人事、給与、労務、教育訓練、法務、情報システム/業種ごとに決まったプロセス/汎用、自動化、分析ツール】

②オプション

  • 機能拡張
  • データ連携ツール
  • セキュリティ

③役務

  • 導入コンサル・導入設定
  • マニュアルの作成
  • 導入研修
  • 保守サポート
  • ハードウェアのレンタル

類型別補助金の目的

通常枠(A・B類型)
A・B類型は事業における生産性の向上を目的とした補助金です。
A・B類型は上記ITツールの解説における①の詳細の中から1つ以上を導入する必要があり、これを満たしていれば②と③の導入も補助金対象にできます。

特別枠(C・D類型)
C類型は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、事業の非対面化に取り組んで経済構造の転換や好循環を目的とした補助金です。
C類型は上記ITツールの解説における①の詳細の中から2つ以上を導入することが必須で、これを満たしていれば②と③も補助金の対象となります。

D類型はテレワーク・在宅ワークの環境整備に資するクラウド対応ツールを導入し、複数のプロセスによる非対面化を行うことを目的とした補助金です。
D類型はC類型同様、上記ITツールの解説における①の詳細の中から2つ以上を導入する必要があり、これを満たしていれば②と③を補助金対象にできます。

つまり・・・

①のソフトウェア2つ以上の導入必須です。

例えば、オンライン販売(顧客対応、販売支援)+オンラインサイトの決済機能などを導入することで、ネットショップ・ECサイトの開業資金をIT導入補助金の交付により、低コストで実現できるということです。

①のソフトウェアは、多くのネットショップで基本的に導入を検討するものです。条件は満たしやすいため、申請自体は容易なものですが、注意点もあります。

下記で申請の流れと注意点を解説します。

IT導入補助金交付申請完了までの流れ

IT導入補助金交付申請完了までの流れは以下の図の通りです。

IT導入補助金申請から交付までの流れ

以上の流れで交付申請が完了です。
この後交付が決定した場合、事務局から交付決定の通知が届き、その後支援事業者との契約・支払い・納品となります。

注意しなければならないのは、交付の決定通知が届く前に契約・支払い・納品があった場合、補助金が交付されないことです。 補助金の交付が決定される前に、契約等の業務はしないようにしましょう。

また、IT導入補助金はITツール導入完了後に交付されるので、前払いではないことも注意が必要です。 ITツールを導入する事業者が一旦建て替えし、後日補助金が交付される制度ですので、この点も誤解のないよう認識しておきましょう。

賢く助成金を使用して開業資金のコストを抑える

今回ネットショップ・ECサイトの開業資金の相場と、IT導入補助金を利用して、開業資金をより低コスト化する方法とその流れを解説しました。

ネットショップ・ECサイトは将来的に規模を拡大していく上で、さらに費用がかかります。まずはIT導入補助金を利用して、開業資金を抑えることが賢明です。

この記事では、IT導入補助金の交付までの流れを簡潔に説明しましたが「IT導入補助金 2021│手続き方法と交付完了までの流れ(事前準備から申請・完了報告まで)」にて、更に詳しく解説しています。よりスムーズに申請いただけますので、コチラもあわせてご覧ください。

また、IT導入補助金交付について注意が必要なポイントは「IT導入補助金 交付においてチェックすべき注意点(加点・減点措置・留意事項)」でも解説しています。

勘違いや見落としで事務局から再提出を求められ、申請期限が過ぎてしまわないよう、効率よく申請しましょう。補助金による資金調達を頼りにネットショップ・ECサイトを開設する場合、スケジュール管理が非常に重要です。

何かご不明な点やご質問がございましたらお問い合わせよりお気軽にご連絡ください。