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【比較】楽天やAmazon出店と自社ECサイト (ネットショップ)の違いは?

ネットショップやECサイトにはさまざまな種類があります。楽天やAmazonなどのモール型ECサイトから自分で構築する自社サイトまで、それぞれメリットやデメリットも異なります。ネットショップの出店を検討するときには、各サイトの違いを確認してからどのECサイトが適しているのかを判断しましょう。

この記事では、モール型ECサイトの大手、Amazonと楽天を徹底比較し、それぞれの出店メリット・デメリットや自社ECサイトの違いについて、分かりやすく解説します。

ECモールの2強「Amazon(アマゾン)」と「楽天市場」を比較!

現在、日本国内でトップシェアを争っているモール型ECサイトがAmazonと楽天市場です。

ECサイト の楽天vsAmazon比較表

Amazon(アマゾン)の特徴

URL:https://www.amazon.co.jp/

Amazonは2000年に米国で開設されたショッピングサイトです。

世界中で最も豊富な品揃えを誇り、全世界に圧倒的な数の利用者がいます。Amazonはカタログ型のサイトで、サイト内に自分の店舗をもつのではなく、1つの商品ページを複数の店舗で共有する形式です。店舗の構築が不要で1つの商品から出品をスタートすることができます

法人個人に関わらず出品が可能で、1商品から出品が可能なため、簡単に始めることができるのが特徴です。さまざまな商品をAmazon自身が在庫を持ち発送管理を行うサービスもあります。

Amazon出店のメリット

  • 法人・個人を問わず誰でも簡単に出店できる
  • 1商品から出品ができる
  • 店舗の構築や商品ページの作り込みが不要
  • amazonが発送代行をするサービス使用すれば在庫を持たずに済む場合もある

Amazon出店のデメリット

  • お店やブランドの独自性が出しにくい
  • 価格優位性がないと売上につながりにくい

Amazon出店を考えるなら

Amazonではひとつの商品ページに対して複数店舗が出品する形式のため、他店舗との違いが販売価格やポイント付与のみになります。そのため、ユーザーの購入判断軸が主に価格になるため、安価に出品できる店舗が有利な状況になります。出店前には、取り扱う商品の現在の価格や競合店舗などのリサーチを行い、売れる見込みがあるかどうかを判断する必要があります。

また、販売手数料が商品カテゴリーによって異なるため、売りたい商品の手数料も先に確認しましょう。出品商品のジャンルやお店のコンセプトによって、お店の独自性をだす必要がなければAmazonでの出品が向いています。

楽天の特徴

URL:https://www.rakuten.co.jp/

楽天市場は1997年に創設されたモール型のショッピングサイトです。

日本のEC市場では高いシェアを獲得し、現在も年々会員数を増やし成長を続けているサイトです。サイトとしての利便性や信頼度が高く、すでに多くの利用者を抱えていることが’最大の特徴です。出店には一定の審査基準があり、ユーザーに安心して買い物をしてもらえる質の高いショップであることが求められます。

また、月額出店料や販売手数料などの費用が他のモールと比較すると高くなるため、継続的にマーケティングなどの戦略をたて一定の売上を見込めるショップに向いています。

楽天出店のメリット

  • ECモール自体に圧倒的な集客力がある
  • 店舗のブランディングでお店のファンやリピーターを作ることができる

楽天出店のデメリット

  • 出店料や手数料など固定費が高い
  • 競合店舗が多い
  • 広告出稿や有料キャンペーン参加など広告コストがかかる

楽天出店を考えるなら

楽天市場では、モール内や検索エンジンで商品やキーワード検索をし上位に表示される商品ページからの流入が集客のメインになります。商品によっては多数の競合店舗が存在するため、商品ページを上位表示させるSEO対策や広告出稿が重要になり作業工数や広告のコストがかかってきます。

また、出店料などの固定費も他のサイトに比べると高額なため、運用戦略をたてて一定の利益を上げ続ける必要があります。ニールセンが2020年7月に発表したデータをみると、楽天市場は35歳以上の女性ユーザーが多い傾向もあり、取り扱う商材のターゲットとマッチする場合は向いています。

楽天 VS Amazon 売上・利用者数・費用コストを比較!

それでは出店するために欠かせない売上・利用者数・費用コストなどについて詳しく見ていきましょう。

楽天 VS Amazon 売上比較

ECサイト の楽天vsAmazon比較表_売上比較

2020年の売上規模を比較すると、楽天市場は4兆4500億円で日本のEC市場ではトップとなっています。

次にAmazonが2兆189億円となります。楽天市場の売上は楽天トラベル、ブックス、GORAによるゴルフ流通、ビジネス、楽天Direct、楽天デリバリー、ラクマ、クーポンなどの売上も合算された金額ですが、いずれにしても大きなシェアを誇っています

楽天 VS Amazon 月間利用者数・平均利用回数・GRP

ECサイト の楽天vsAmazon比較表_利用者比較

2021年6月に発表されたニールセン デジタルコンテンツ視聴率レポートをもとにしたオンラインショッピングのサービス利用状況によると、視聴者数が最も多かったのは楽天市場で5,370万人が月に平均66回利用するデータとなりました。

また、Amazonは5,120万人が月に平均35回利用するという結果となっています。それぞれのGRP(延べ視聴率)は楽天が3.282%、Amazonが1.675%と、楽天の方が利用者数も一人あたりの月間利用回数も多いことがわかります。

楽天 VS Amazon 出店店舗数比較

Amazonは17万店に対し、楽天市場は5万店と出店店舗数で比較するとAmazonの方が圧倒的な数となります

楽天市場は質の高いショッピングサイトを維持するために審査基準などのハードルが高くなっているため、出店店舗数が比較的少なくなっています

楽天 VS Amazon 会員数(登録者数)比較

サイトの会員数はECモールの集客力に直結する要素です。楽天会員は2020年の時点で1.2億人を超え、年々会員登録者数も増えています。

Amazonでは国別の登録会員数を公表していませんが、2021年の時点で全世界では2億人を超える人がAmazon primeに登録していると発表しています。Amazonの2019年度の地域別売上比率では日本は5.7%であり、売上比率から推測すると日本での会員数は1000万人前後であると考えられます。

Amazonで発生する費用(手数料)

小口出品(月49点未満の出品) 大口出品(月49点以上の出品)
出品プラン 100円/商品 4,900円/月
販売手数料 売上の8〜15% ※商品カテゴリーごとに異なる
特定カテゴリーの成約料 15% ※特定のカテゴリーのみにかかる

Amazonの出品プランごとの基本料金

Amazonの出品プランは大口出品と小口出品の2タイプがあります。小口出品では1商品売れるごとに100円の基本成約料が発生します。毎月49点未満の小規模出品の場合は小口出品のほうが安くなります。大口出品は4,900円の月額登録料で、毎月49点以上出品したり広告を出稿する場合は大口出品となります。

この基本料金に加えて商品が売れると販売手数料がかかってきます。なお、とちらも初期開設費用はかかりません。

Amazonカテゴリー別販売手数料

ECサイト のAmazon(アマゾン)販売手数料一覧

引用元:Amazon セラーセントラル

販売手数料は、商品が売れると発生する手数料です。Amazonの販売手数料は商品のカテゴリーによって異なり、売上高の8〜15%の手数料が設定されています。

Amazonカテゴリー別成約料

ECサイト のAmazon(アマゾン)カテゴリー別成約料

すべての商品の販売時にかかる販売手数料とは別に、本・レコード・DVDなどの特定位のカテゴリーの商品が売れたときにはカテゴリー別成約料が発生します。なお、販売手数料やカテゴリー別成約料は、出品プランに関わらず商品が売れたときに必ず発生します。

その他の手数料(Amazon)

大量出品手数料(Amazon)

大量出品手数料は、同じ月に出品数(SKU数)が200万点を超えた場合、200万点以降の超過分から1SKUごとに0.05円の手数料が発生します。

たとえば、SKU数が合計で300万点になった場合、手数料は50,000円(3,000,000 – 2,000,000 SKU = 1,000,000 SKU × 0.05円)になります。

大量出品手数料は月ごとにかかるので、商品ラインナップが常時200万点を超える店舗は注意が必要です。

※SKUとは、ストックキーピングユニット(Stock keeping Unit)の略です。在庫管理上の最小の品目数を数える単位で、アパレル商品などでは、同一商品でもサイズ・カラーが存在するため、それらを数えるときに使います。

返金手数料(Amazon)

すでに受け取った代金を購入者へ返金する場合は、販売手数料はAmazonから出品者に返金されます。その際は、販売手数料から返金手数料(500円または販売手数料の20%のいずれか少ない方)を差し引いた金額が返金されます。たとえば、売上の合計が1,000円で、販売手数料が15%であった場合、返金手数料は15円(1,000円 × 15%の販売手数料 = 150円)となります。

手数料の情報引用元:【Amazon】出品サービスの手数料について

楽天市場で発生する費用(出店料・手数料)

ECサイト の楽天出店プラン表

ECサイト の楽天出店費用と手数料

引用元:【楽天】出店プランと費用

楽天市場では出店プランによって異なる月額出店料が発生します。また、基本の出店料とは別にシステム利用料も発生します。amazonや自社サイトと比較しても固定費が高くなるため、安定経営ができるかどうか事前に売上予測をたてることが大切になります。

モール型ECサイトと自社ECサイトを比較

自社ECサイトは独自のドメインを取得して運営するECサイトになります。すべて一から構築するものから、規定のデザインテンプレートにそって簡単に構築できるものもあります。開設費用や運用コストもサービスによってさまざまですが、モール型ECサイトと比較すると安価に済むため利益率が高くなり、店舗のブランディングしやすいことが特徴です。

利用するサービスによって、固定費が無料のものから月額料金が発生するものもあるので、カスタマイズ性や利便性などを確認し、店舗の規模に合わせて選択すると良いでしょう

自社サイトのメリット

  • モール型ECサイトに比べて利益率が高い
  • ブランディングができる
  • 顧客情報を取得してマーケティングに活用できるです。

自社サイトのデメリット

  • 集客をすべて自分で行う必要がある
  • 成果がでるまで時間とコストがかかる
  • 売上を上げるための戦略や行動が必要になる

自社サイトについて詳しくはこちらをご覧ください。

初めてのネットショップ(ECサイト)開業!出店タイプと選び方をご紹介

その他の比較

お店のファンやリピーターを増やしたい:楽天市場か自社サイト

Amazonでは、ユーザーの行動原理が「特定のショップを選んで買う」ではなく「どの商品をいくらで買うか」になります

楽天市場や自社ECサイトでは、お店ごとの特色を生かした店舗づくりやサイトの作り込みが可能なため、お店自体のファンを作っていくことが’可能です。お店や商品のファンを増やして行きたい場合は、楽天市場か自社サイトが向いています。ただし、無料で開設できる自社ECサイトなどでは、店舗のデザインテンプレートが決まっていたりカスタマイズできる範囲が決められていたり、店舗の特色をだしにくいものもあります。

顧客情報を入手したいなら自社 ECサイト

Amazonや楽天市場での販売で得られる顧客情報は限られています。楽天市場では商品ページに質問事項をオプションとして設置することで、性別や年代、購入動機などのデータを獲得することも可能ですが、回答の煩雑さによっては購入率を下げることにもつながるので、ケースバイケースでの活用となります。

購入者の性別、生年月日などをマーケティングに活用したい場合は、取得する顧客情報をカスタマイズしやすい自社ECサイトが適しています

メールマガジンを送りたいなら楽天市場か自社 ECサイト

Amazonのシステムではマーケティングやプロモーションを目的としたメールを個別に顧客に送ることは禁止されています。楽天市場では、楽天のシステムを利用してメールマガジンや販促メールを配信することが可能です。ただし、基本的には一定の配信料がかかる有料のサービスとなっています。

自社ECサイトでは、利用するサービスによっては独自の配信機能をもっていたり、配信機能をカスタマイズできるケースもあります。また、取得した顧客情報を利用して外部のメルマガ配信サービスなどを利用することも可能です。

出店審査が厳しい楽天市場

楽天市場は誰しもが出店できるとは限りません。審査の基準は厳しく、売り上げの見込みが立つかどうかが鍵となります。
一方Amazonの審査は簡単です。自社ECに関しても誰でもが開店することができると言えるでしょう。

結論:販売する商品やターゲットを明確にして最適な売り場を決める!

Amazonと楽天、自社サイトの特徴やメリットやデメリットを紹介しました。それぞれサイトの特性や特徴が異なるので、お店のコンセプトや取り扱う商材に合わせて最適なサイトを選びましょう。自社サイトとモール型ECサイトを複数出店し運営することも可能です。

ただし、運営するサイトを増やせば増やすほど工数やコストがかかります。

また、それぞれの販売戦略も異なります。店舗の規模や運営にかけられるコストを加味して検討することをおすすめします。

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